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日本三大名泉にも数えられている群馬県草津温泉では、草津温泉旅館協同組合が中心となり、2001年から「泉質主義」を標榜し集客に努めてきました。温泉水(硬水)でシャンプーなどを使う際には、水道水(日本では通常は軟水)での使用時に比べて泡立ちが抑制され、洗浄力や使用感が悪くなることが知られています。また、これ以外にも、浴室用化粧品に対する不満として、草津温泉旅館協同組合「女将の会」の中には、シャンプーなどの残香が浴室内の‘温泉らしい香り’(硫黄など)を消してしまい「温泉情緒に欠ける」という意見もありました。
資生堂の子会社である資生堂アメニティグッズ株式会社では、2005年に「コンラッド東京」(東京都港区)の開業にあたり、共同でホテルのイメージにマッチしたオリジナルのアメニティ(シャンプー・リンスなど16品)を開発したほか2004年には「尾道」(広島県尾道市)、2005年には「竹原」(広島県竹原市)、2006年には「角館」(秋田県角館町)という名称で、特産物や花などの地域のイメージを香りで表現した「ご当地フレグランス」を開発、地元観光協会などを通じて販売し、地域振興の一翼を担ってきました。
昨年、草津温泉旅館協同組合から当社に「温泉水でも泡立ちがよく、温泉らしい香りともなじみ、草津の泉質主義が引き立つオリジナルの浴室用化粧品」の開発要請がありました。本件は地域振興への貢献のみならず、当社グループとお客さまとの接点拡大にも繋がることから、資生堂アメニティグッズが企画を担当し、草津温泉の魅力を最大限に引き出す商品を開発しました。
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開発にあたっては、草津温泉の「泉質主義」と、資生堂の「品質本位主義」の両立を第一義として、草津の泉質を際立たせるよう配慮すると同時に、草津温泉・資生堂双方が、お客さまの満足度アップと新顧客の創造を図る商品設計としました。肌の老廃物や角質の除去に有用とされる良質な泉質に対応し、角質が落ちた後の肌をやさしくケアすべく全品に保湿効果に優れる植物成分を配合したほか、泡立ちが抑制される泉質に配慮し、シャンプー、ボディーシャンプーの発泡力を強化。さらに、草津温泉の特長である硫黄の香りとマッチングする柔らかな香料を採用しつつも無残香性とし、浴室内の‘温泉らしい香り’を保つ設計にしています。
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